OUR HOSPITAL 看護部について

病院長挨拶

「誠意、熱意、創意」の心で地域の皆様に質の高い医療を提供します

このたび、令和641日付けをもちまして飯田市立病院の院長に就任いたしました新宮聖士(しんぐうきよし)と申します。私は平成174月当院に赴任して以来今日に至るまでの19年間、一乳腺内分泌外科医師として診療に明け暮れる毎日でした。今後は病院全体に目を向けて、当院の基本理念『私たちは、地域の皆さんの健康を支え、信頼される医療を実践します』を全うすべく努力してまいる所存でございます。

 

さて、能登半島地震の発生から3ヵ月経過しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、今もなお被災地の復興支援のためにご尽力されている方々に深く敬意を表します。発災当初、当院にもDMATの派遣要請があり、計3チーム派遣いたしました。DMAT隊員と彼らに代わって勤務調整して院内で働いた職員全員に感謝いたします。当地域が被災地になったらどうなってしまうのか、その時私たち医療従事者は何ができるのか、ということを深く考えさせられました。

 

話は変わりますが、飯田下伊那地域は少子高齢化が進んでいます。今後、高齢者に対する医療、介護の需要は必然と高まっていきます。しかし、それを支える地域全体の医療従事者の数は十分とは言えません。診療所の先生方の高齢化、廃業等による医師不足も深刻です。当院を見回してみても、常勤の医師は高齢化し、大学から12年の契約で来る若手の派遣医や研修医等、若い力はありますが、今後当院の診療を背負ってもらえそうな中堅医師の赴任は最近ほとんどありません。他の医療従事者も慢性的に人手不足です。そのような状況の中、今年度から医師の時間外労働の上限が規制される『医師の働き方改革』がスタートしました。課題は山積ですが、まずはタスクシフト・シェアの推進、ICTの活用による業務内容の効率化、新しい医療人材の確保等、院内の労働環境の整備・改善に取り組む必要があります。

 

当医療圏の地域医療を守るためには、医療機関の役割分担と業務連携が必要不可欠ですが、地域の皆様のご協力も大切です。安易な休日、夜間の救急受診を控え、安易な救急車の利用を自粛していただくこと、また定期的に健康診断を受けご自身の健康に留意していただくことが医療従事者の負担軽減につながります。ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

 

地域中核病院としての飯田市立病院の使命を重く受け止め、今後も地域の皆様に安全・安心で良質な医療をお届けできるよう鋭意取り組んでまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

います。

令和6年4月
飯田市立病院 院長 新宮 聖士